面談は盛り上がったのに、机に戻ってからが長い。
90分話して、この人はいい、と手応えもあった。なのに事務所に戻って推薦文を書き始めると、30分経っても書き出しが決まらない。求人票のリライトも溜まっている。スカウトもまだ20通残っている。気づけば22時になっている。
キャリアアドバイザーや派遣コーディネーターが消耗しているのは、人と会うことではありません。会ったあとの文章仕事です。
このページでは、その文章仕事をAIに渡すためのプロンプトを、場面別に5種類、そのままコピーできる形で公開します。会員登録は不要です。 ChatGPTでもClaudeでもGeminiでも、コピーして貼り付ければ今すぐ使えます。
対象は、一人、あるいは少人数で、面談から推薦まで一通り自分でやっている方です。分業が進んだ大手の一部の工程だけを担当している方には、当てはまらない部分があります。
この業界は法律の縛りが濃いので、プロンプトの側に法令のチェック項目を組み込んであります。理由は記事の後半で説明します。
1日が終わるのは、面談のせいではない
一人で一通りを回している方の1日を分解すると、こうなります。
| 工程 | 実際にかかっていること | AIに任せられるか |
|---|---|---|
| 面談メモの整理 | 走り書きをデータの形にする。1件で15〜20分は溶ける | ◎ ここが一番得意(下の①) |
| 求人票のリライト | 企業の話を、求職者に届く言葉に直す。法令のチェックも要る | ◎ 法令チェックも同時に(下の②) |
| スカウトの個別化 | 一斉送信では返信が来ない。1通ずつ書くと終わらない | ◎ 下書きを量産できる(下の③) |
| 推薦文 | 書類選考の通過率を左右する。書く人によって質がばらつく | ◎ 型を揃えられる(下の④) |
| 言いにくい連絡 | お見送り、条件が合わない、辞退の相談。心が削れる | ○ 言い方を先に作る(下の⑤) |
| 面談で本音を聞く・企業に食い込む | 表情、間、言いよどみ。ここで決まる | ✕ ここは人間の仕事 |
最後の行が、この仕事の本体です。職務経歴書に書いていないことを面談で引き出す。企業が言葉にできていない「本当に欲しい人」を掘り当てる。ここは代わりがききません。
にもかかわらず、時間は上の5行に吸われています。しかも上の5行は、頭を使っているようで、実際は「聞いたことを型に流し込む」「言い換える」「抜けを探す」という仕分け作業です。
そして、この仕分けが遅れると、候補者への連絡が遅れます。 人材業界では、それがそのまま決定率に効いてきます。
そのまま使えるプロンプト(5種類)
下のボタンで、使いたい場面を選んでください。それぞれコピーボタンが付いています。
使い方は3ステップです。
- 場面を選んで、コピーボタンを押す
- ChatGPT・Claude・Geminiなど、いつも使っているAIの入力欄に貼り付ける
[ ]で囲まれた部分だけ、自分の案件の内容に書き換えて送信する
書き換えるのは [ ] の中身だけで大丈夫です。それ以外の部分は、AIに正しい手順を踏ませるための指示なので、消さずにそのまま送ってください。
氏名・連絡先・勤務先の実名は、伏せてから貼ってください。 これは強く言います。理由と伏せ方は、プロンプトの下の「使う前に、これだけは守ってください」で説明します。
使いたい場面を選んでください(5種類)
面談メモを台帳の形に整理する
こんなときに: 面談が終わって、走り書きが手元にある状態のとき。「譲れない条件」と「できればの条件」を分けさせるので、あとのミスマッチが減ります。
あなたは、人材紹介の面談記録を整理してきたキャリアアドバイザーです。
以下の【面談メモ】を、あとから使える形に整理してください。
あなたの仕事は評価することではなく、聞いた内容を正確に仕分けることです。
■ 候補者(伏せ字のままで構いません)
[例:A氏。30代前半。首都圏在住。大手通信キャリアの法人営業]
■ 面談の目的
[例:初回登録面談。転職の意思と希望条件の確認]
■ 面談メモ(走り書き・文字起こしどちらでも可)
[ここに、メモや録音の文字起こしをそのまま貼り付けてください。
順番がバラバラでも、雑談が混ざっていても構いません]
■ 出力条件
1. 【経験の棚卸し】
職種・年数・扱った商材・組織の規模・使っていたツールを整理すること。
メモから読み取れないものは「未確認」と書くこと。
2. 【数字になる実績】
本人が語った数字を一覧にし、それぞれ
「本人の申告のみ」か「根拠の説明があった」かを分けて書くこと。
3. 【希望条件】
**「譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」に必ず分けること。**
メモから判断できない場合は、どちらか確認が必要と明記すること。
4. 【面談での様子】
・観察した事実(発言の内容、質問への答え方など)
・こちら側の解釈
の2つに分けて書くこと。混ぜないこと。
5. 【前後で食い違っている点】
面談の前半と後半で言っていることが違う箇所を、責めない書き方で挙げること。
6. 【次回確認すること】
質問文の形で。
■ 守ってほしいこと
・**メモに書かれていないことを補わないこと。** 不明な部分は「未確認」と書くこと。
・本人が実際に使った言葉と、こちらが言い換えた表現を混ぜないこと。
・**年齢・性別・国籍・家族構成・信条を、評価や適性の判断に結びつけて書かないこと。**
事実として記録が必要な場合も、能力の評価とは切り離すこと。
・企業名は伏せ字のまま扱い、実名に戻さないこと。
それでは、上記の条件に従って出力してください。
求人票を求職者に伝わる形にする
こんなときに: 企業からもらった原稿が固くて、そのままでは読まれないとき。書いてはいけない表現が原文に混ざっていないかも同時にチェックさせます。
あなたは、求人原稿を数多く書いてきた人材紹介のライターです。
以下の【企業からの求人情報】を、求職者に届く形に書き直してください。
あわせて、法令上そのまま書けない表現が含まれていないかを点検してください。
■ 企業からの求人情報(原文のまま貼ってください)
[ここに、企業からもらった求人票やメールの内容を貼り付けてください]
■ 企業への取材で聞けたこと(原稿に書かれていないこと)
[例:
・社長が現場出身で、話が早い
・前任者は3年で辞めたが、理由は家庭の事情
・繁忙期は3月と9月。その時期は残業が月30時間ほど
・研修らしい研修はなく、先輩について覚えていく
]
■ 届けたい人
[例:法人営業の経験が2〜3年あり、無形商材に移りたいと考えている人]
■ この求人の弱いところ(正直に)
[例:給与は相場並み。知名度が低い。オフィスが古い]
■ 出力条件
1. 【タイトル案】3つ。方向性を変えること。
2. 【冒頭の3行】
スクロールを止める部分。何の仕事で、誰に向けた募集かが分かる形に。
3. 【仕事内容】
箇条書きの羅列ではなく、**1日の流れが想像できる形**に書き直すこと。
4. 【求める人物像の言い換え】
「主体性のある方」のような抽象的な言葉を、
**具体的な行動**に置き換えること(例:自分で段取りを決めて動ける方)。
5. 【正直に書いたほうがいい点】
残業・繁忙期・きつい部分のうち、先に書いておいたほうが
入社後のミスマッチを防げるもの。書き方の案も添えること。
6. 【法令チェック】
原文の中に、次のような表現が含まれていないか点検し、
あれば指摘したうえで、書ける形の代替案を出すこと。
・年齢に関する条件や示唆(「若手が活躍」「20代中心の職場」なども含む)
・性別に関する条件や示唆(「女性が活躍中」「男性向け」など)
・国籍・出身地・信条・容姿・家族構成に関する条件や示唆
見つからなかった場合は「該当なし」と書くこと。
7. 【企業に追加で聞くべきこと】
原稿を仕上げるために足りない情報を、質問文の形で。
■ 守ってほしいこと
・**上記6に挙げた属性を、条件・歓迎要件・職場の説明のいずれにも書かないこと。**
・取材で聞けていないことを、魅力として書かないこと。
どうしても必要な場合は「(要確認)」と明記すること。
・「アットホームな職場」「風通しがよい」など、中身のない決まり文句を使わないこと。
・給与・待遇・休日を、原文より良く見えるように書き換えないこと。
それでは、上記の条件に従って出力してください。
スカウトメールを個別化する
こんなときに: 送る候補者は決まったが、1通ずつ書いていると終わらないとき。「この人に送らないほうがいい理由」も一緒に出させます。
あなたは、返信率の高いスカウトメールを書いてきた人材紹介の担当者です。
以下の候補者に向けて、スカウトメールを作成してください。
■ 候補者(伏せ字のままで構いません)
[例:A氏。30代前半。大手通信キャリアの法人営業を5年。
直近はチームのサブリーダー。職務経歴書に「顧客の課題整理が得意」と記載]
■ 送りたい求人
[例:HR領域のSaaSを扱うベンチャー。法人営業。無形商材。
年収は現職と同水準からのスタート]
■ なぜこの人に送るのか
[例:無形商材ではないが、提案の型は近い。
顧客の課題整理という言葉が、この企業の営業スタイルと合いそう]
■ 自社の立ち位置
[例:小規模なエージェント。HR領域に強く、社長と直接会える案件が多い]
■ 出力条件
1. 【件名】3案。開かれる件名にしつつ、煽らないこと。
2. 【本文】
**最初の2〜3行で「なぜあなたに送ったのか」を必ず書くこと。**
経歴のどの部分を読んでそう思ったのかを、具体的に触れること。
3. 【短縮版】
スマートフォンで読むことを前提に、3スクロール以内に収まる長さ。
4. 【返信のハードルを下げる終わり方】
応募ではなく、まず話を聞くだけでよいことが伝わる形に。
5. 【この人に送らないほうがいい理由】
上記の情報から見て、この求人が合っていない可能性があれば指摘すること。
無ければ「特になし」と書くこと。
■ 守ってほしいこと
・**経歴を読んだ形跡が本文に必ず入ること。** テンプレートだと分かる文にしないこと。
・「必ず内定」「年収アップ確実」など、結果を約束する表現を使わないこと。
・**転職をあおらないこと。** いまの職場や現職の会社を否定しないこと。
・年齢・性別・国籍などに触れないこと。
・「早速」「直ちに」など、対応の速さを強調する副詞を使わないこと。
それでは、上記の条件に従って出力してください。
推薦文を書く
こんなときに: 書類選考に出す推薦文を作るとき。足りない要件を隠さず、それでも推薦する理由を書かせます。 盛った推薦文は面接で必ず崩れます。
あなたは、人材紹介の推薦文を数多く書いてきたキャリアアドバイザーです。
以下の【候補者の事実】と【求人の要件】を照らし合わせ、
採用担当者が「会ってみたい」と感じる推薦文を作成してください。
■ 候補者の事実(伏せ字のままで構いません)
・経験職種・年数:[例:大手通信キャリアの法人営業 5年]
・数字で言える実績:[例:直近1年の目標達成率120%。新規開拓は部署内1位]
・扱っていた商材・顧客:[例:通信回線とクラウドサービス。顧客は中堅企業中心]
・面談で観察したこと:[例:こちらの質問に対し、必ず前提を確認してから答えていた。
分からないことは分からないと言う]
・転職理由・希望:[例:形のある商材ではなく、課題解決型の提案に移りたい。年収は維持希望]
■ 求人の要件
・企業:[例:HR領域のSaaSベンチャー。設立7年、社員60名]
・必須要件:[例:法人営業2年以上、ITリテラシー]
・歓迎要件:[例:SaaSの営業経験、マネジメント志向]
・求める人物像:[例:自ら課題を見つけて動ける方]
■ 足りない要件(分かっている範囲で)
[例:SaaSの営業経験は無い。マネジメントは正式な経験ではなくサブリーダー止まり]
■ 出力条件(全体で400〜600字)
1. 【結論】3行以内。なぜ推薦するのかを先に。
2. 【要件との合致】
**必須要件・歓迎要件を1つずつ挙げ、事実で対応づけること。**
対応する事実が無い項目は、無いと書くこと。
3. 【足りない要件と、それでも推薦する理由】
隠さずに触れたうえで、なぜ埋められると考えるかを、
**事実に基づいて**説明すること。
4. 【面談で見たこと】
観察した具体的な場面に基づいて書くこと。
5. 【採用担当者が引っかかりそうな点】
推薦文の外に、こちらへの申し送りとして書くこと。
先回りして用意しておくべき材料も。
6. 【事実の裏付けが弱い箇所】
本人に確認しないと出せない部分を挙げること。
■ 守ってほしいこと
・**提供した事実に無いスキル・経験・数値を、推測で補わないこと。**
・**「コミュニケーション能力が高い」「明るく前向き」のような、
根拠なく誰にでも言える表現を使わないこと。**
面談で観察した具体的な場面に置き換えること。置き換えられないなら書かないこと。
・年齢・性別・国籍・出身地・信条・容姿・家族構成による評価を含めないこと。
・**盛らないこと。** 面接で崩れる推薦文は、候補者にも企業にも損失になる。
・冗長にせず、箇条書きを使って読みやすくすること。
それでは、上記の条件に従って出力してください。
言いにくいことを伝える
こんなときに: お見送りの連絡、条件が合わないことの説明、辞退の申し出。心が削れる連絡ほど、先に言葉を作っておくと楽になります。
あなたは、求職者と企業の両方に向き合ってきた人材紹介の担当者です。
以下の内容を、相手に伝える形に組み立ててください。
■ 伝えること
[例:企業から不採用の連絡が来た。理由は「経験の幅が想定より狭い」とのこと]
■ 相手
[例:30代前半の求職者。この企業を第一志望と言っていた。
面接の手応えはあったと本人から連絡が来ていた]
■ これまでの経緯
[例:登録から2か月。応募は3社目。前の2社も書類で見送りになっている]
■ 伝える手段と、このあとの関係
[例:まず電話。つながらなければメール。
引き続き支援を続けたい。ここで離れてほしくない]
■ 出力条件
1. 【伝える順番】
何を先に言い、何を後に回すか。理由も1行で。
2. 【そのまま送れる文面】
メールまたはチャットで送れる形。
3. 【電話で話す場合の切り出し方】
最初の一言から。
4. 【相手から出そうな反応と、その受け方】
落ち込む、理由を詳しく聞きたがる、こちらを責める、など。
それぞれの受け方を具体的に。
5. 【言わないほうがいいこと】
言い訳、他責、断定、根拠のない励まし。具体例で。
6. 【次につながる一言】
相手が次に何をすればいいかが分かる形で。
■ 守ってほしいこと
・**謝罪を何度も重ねないこと。** 一度述べたら、あとは事実と次の話にすること。
・**不採用の理由を、こちらの推測で説明しないこと。**
企業から聞いた内容だけを伝え、聞いていない部分は「そこまでは伺っていません」と書くこと。
・相手の人格・能力を否定する表現を使わないこと。
・「早速」「直ちに」など、対応の速さを強調する副詞を使わないこと。
・励ましで終わらせず、次にすることが必ず分かる形にすること。
それでは、上記の条件に従って出力してください。
精度を上げる、書き換えのコツ
| 書き換える場所 | コツ |
|---|---|
| 面談メモ(①) | 整えてから貼らなくて大丈夫です。言い直しや雑談も残したままのほうが、前後の食い違いを拾ってくれます |
| 企業への取材で聞けたこと(②) | ここが求人票の質を決めます。「前任者は3年で辞めたが理由は家庭の事情」のような、原稿に載らない話ほど効きます |
| この求人の弱いところ(②) | 正直に書くほど、出てくる原稿が強くなります。弱点を伏せた原稿は、入社後に必ず問題になります |
| なぜこの人に送るのか(③) | ここを書かずに送ると、テンプレート丸出しの文が返ってきます。自分の頭の中の理由を、そのまま日本語で書いてください |
| 足りない要件(④) | 空欄にすると、AIは全部満たしているように書きます。推薦文でこれをやると、面接で崩れます |
| これまでの経緯(⑤) | 「応募3社目で、前の2社も書類で見送り」まで書くと、伝え方が変わります |
そして、一度で満足しないことです。
- 「この推薦文は少し盛りすぎなので、事実だけに絞って書き直して」
- 「求人票の冒頭が固いので、もっと話しかけるトーンにして」
- 「このスカウトは長いので、スマホで2スクロールに収まる長さに」
やりとりを2〜3回重ねるだけで、そのまま使える水準になります。
使う前に、これだけは守ってください
1. 求職者の情報を、そのまま貼らない
無料版のAIサービスでは、入力した内容がAIの学習に使われる場合があります。そして人材業界の場合、これは業務上の守秘義務に直接かかわります。
職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、特定募集情報等提供事業者、労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者(以下この条において「職業紹介事業者等」という。)並びにこれらの代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱つたことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならない。 ——職業安定法 第51条第1項(秘密を守る義務等)
「これらの代理人、使用人その他の従業者」と書かれています。会社だけでなく、実際に手を動かしている担当者一人ひとりが対象です。加えて、求職者の情報は個人情報保護法の対象でもあります。
とはいえ、伏せると出力の質が落ちるわけではありません。AIが見ているのは固有名詞ではなく、経歴の構造だからです。次のように置き換えてください。
| 情報の種類 | そのままの状態 | 貼るときの形 |
|---|---|---|
| 求職者の個人情報 | 氏名、電話番号、メールアドレス、住所 | A氏/30代前半/首都圏在住 |
| 現職・前職の企業名 | 実在の企業名 | 大手通信キャリア/従業員300名規模のメーカー |
| 求人企業の非公開情報 | 非公開求人の企業名、実額の給与、新規事業の名称 | HR領域のSaaSベンチャー/規定内の給与水準 |
| 学校名・資格の登録番号 | 実名・実番号 | 都内の私立大学(文系) |
出力された文章を自社のシステムやWordに貼り付けてから、実名は人の手で戻す運用にしてください。これが基本形です。
2. 年齢・性別・国籍は、そもそも書かない
これは人材業界に固有の、いちばん事故が起きやすいところです。
事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。 ——労働施策総合推進法 第9条(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
例外は厚生労働省令で限定されています。つまり、原則として募集・採用で年齢を条件にできません。 性別についても、雇用機会均等法により募集・採用での差別的取扱いが禁止されています。
問題は、直接書いていなくても引っかかる表現があることです。
- 「若手が活躍中の職場です」
- 「20代中心の明るいチーム」
- 「女性が活躍しています」
- 「体力に自信のある方」
企業からもらう原稿には、こうした表現が普通に混ざってきます。悪気があるわけではなく、社内でそう話しているからです。それをそのまま清書してしまうのが、いちばん危ない流れです。
②のプロンプトに法令チェックの項目を入れてあるのは、このためです。それでも見落としは出ます。最後に自分の目で読むことは変わりません。
そして④の推薦文でも同じです。「若くて元気」「明るい女性」といった書き方は、褒めているつもりでも、属性による評価になります。プロンプト側で禁止していますが、これも最後は自分で確認してください。
3. 推薦文は、盛った時点で負ける
これはAIの問題ではなく、使い方の問題です。
AIに推薦文を書かせると、驚くほど立派な文章が出てきます。そして立派なほど、候補者本人が言っていないことが混ざりやすくなります。 「潜在課題を引き出すヒアリング力」も「将来のリーダー候補としてのポテンシャル」も、書こうと思えばいくらでも書けます。
ただ、その推薦文で面接に進んだあと、崩れるのは候補者です。企業は「聞いていた話と違う」と感じ、候補者は自分が知らない期待を背負わされる。そして次から、その企業はあなたの推薦文を信じなくなります。
④のプロンプトが「事実に無いものを補わない」「誰にでも言える表現を使わない」「事実の裏付けが弱い箇所を挙げる」を要求しているのは、この一点のためです。
出てきた推薦文を読んで、「これ、本人に見せられるか」と一度自問してください。 見せられない文章は、出さないほうがいい文章です。
プロンプトの限界と、その次の一歩
ここまでの5つを使えば、22時までかかっていた文章仕事は、目に見えて短くなります。ただ、しばらく使っていると、必ず同じ壁にぶつかります。
毎回、同じ作業を手でやっていることに気づくはずです。
職務経歴書を開いて、氏名を探して、企業名を探して、伏せ字に直して、コピーして、AIに貼って、出てきた文章をまたコピーして、システムに貼って、実名に戻す。1件あたり数分。それが1日に何件も続きます。
そして、この手作業には漏れます。急いでいるとき、疲れているとき、伏せ忘れが起きます。気をつけていれば防げる、という前提そのものが弱いのは、他の業界の話ではありません。
もうひとつ、こちらのほうが根が深いかもしれません。自分の勝ちパターンが、道具になっていない。
返信率が高かったスカウトの言い回し。書類が通りやすい推薦文の構成。この企業にはこの切り口が刺さる、という蓄積。それは何年もかけて積み上げた資産なのに、毎回チャット欄に説明し直しているうちは、資産として働きません。新しく入ったメンバーにも渡せません。
これは、あなたの実力の問題ではありません。ブラウザのチャット画面という道具の限界です。
ここから先に進む方法は、実はひとつだけです。
自分専用の道具を、自分で作ってしまうこと。
たとえば、こういうものです。
- 職務経歴書を入れると、氏名や企業名を自動で伏せ字に置き換えてくれる仕組み
- 面談メモを貼ると、台帳の形に整理されて溜まっていく自分用の画面
- 求人と候補者を並べて、合致点と足りない要件を出してくれる画面
- 過去に通った推薦文を並べて、自分の型を後から入った人にも渡せる形にする
「それってエンジニアの話でしょう」と思われたかもしれません。数年前まではそうでした。
いまは、日本語で「こういうものを作りたい」と伝えるだけで、AIがコードを書いて動くものにしてくれます。Claude Code というツールを使えば、プログラムを書けなくても、自分の仕事に合わせた道具を自分で作れます。
そして——人材業界の方は、実はかなり有利です。
理由は2つあります。
ひとつは、要件を言葉にするのが、そもそも仕事だからです。企業が「いい人がほしい」としか言わないところから、必須要件と歓迎要件を切り分ける。候補者の何がどう合うのかを、文章にして人に納得させる。AIに指示を出す作業は、これとほとんど同じです。プログラミング未経験の方が最初につまずくのは「やりたいことを分解して言葉にする」部分で、そこをあなたはすでに越えています。
もうひとつは、伝わらなかったときに言い方を変える力があることです。同じ内容でも、相手によって刺さる言い方が違う。それを毎日調整しているのが、この仕事です。AIに一度で伝わらなかったときに、詰まらずに言い換えられる人は、上達がとても早いです。
だから、結果が出るのが早いです。
- 伏せ字の手作業が消えれば、漏れる可能性そのものが無くなります
- 自分の型を道具にすれば、新しいメンバーに渡せます。属人化がそこで止まります
- 「人を紹介する人」から「その会社の採用の仕組みを作る人」に変わると、提案できる範囲が変わります
- 作った道具は、あなたの営業の仕方に完全に合っています
クロラボは、プログラミング未経験の人が、Claude Code で自分のオリジナルアプリを作れるようになるためのスクールです。
「非エンジニア向け」と書いているのは、それくらい初心者の方を想定しているという意味です。すでにコードを書いて仕事をしている方には物足りない内容です。逆に、「パソコンは仕事で使うけれど、プログラムは書いたことがない」という方には、ちょうどいい段差になっているはずです。
会社の業務改善に使っている方もいますが、いまは「個人が自分の武器を持つ」ことをベースにしています。
プロンプトをコピーして使う段階は、入り口としてはとても良いです。ただ、そこで止まってしまうと、来年も同じ時間に、同じ伏せ字の作業をしていることになります。
自分の型を、道具にしてみませんか。